結論から書くと、Spotify・Apple Music・Amazon Musicはどれも規約で個人・非商用の利用に限られていて、店舗のBGMとして流すことはできません。有料プランでも同じです。
店内BGMの話をしていると、かなりの確率で「Spotifyの有料プラン入ってるから、それ流せばいいのでは?」と言われます。
個人向けプランを店で流すと
実際、スマホとスピーカーがあればすぐできてしまうので、そうしているお店も多いと思います。
ただ、これは各サービスの利用規約で明確に禁止されています。
以前薬局で音楽を流すときの著作権の記事を書いたときに調べたのですが、そちらはJASRACへの手続き(著作権法)の話でした。
今回はそれとは別の、サービスとの契約の話です。実際に各社の規約を読んで確認したので、その内容をまとめます。
この記事でわかること
- Spotify・Apple Music・Amazon Musicの規約の該当箇所
- 「バレないのでは」が通らない2つの理由
- Spotify公式サポートが書いていること
- 店で流すための3つの方法とよくある質問
店で流せる買い切りBGMを先に見たい方へ
業種別の店舗BGMパックを見るまず結論
| サービス | 店舗での利用 | 規約上の根拠 |
|---|---|---|
| Spotify(個人プラン) | 不可 | 「個人利用および非商業利用」に限定 |
| Apple Music | 不可 | 「個人利用および非商用利用のみに限られます」 |
| Amazon Music | 不可 | 公演・商業的使用の権利は付与しないと明記 |
| 業務用BGMサービス | 可 | 店舗利用を前提に権利処理済み |
| 著作権フリー音源 | 可 | ライセンス条件による |

「グレーゾーン」ではなく、どのサービスも規約にはっきり書いてあります。以下、実際の条文を引用します。
3社とも規約で個人・非商業利用に限っている。グレーゾーンではない。
Spotify|「個人利用および非商業利用」
Spotifyの利用規約には、こう書かれています。

弊社は、Spotify サービスおよび本コンテンツを個人利用および非商業利用することができる、限定的、非独占的、取消可能な許可 (以下総称して「アクセス」) をお客様に付与します。
付与されているのは「個人利用および非商業利用」の許可だけ、ということです。店舗で流すのは営業のための利用にあたるので、この範囲から外れます。
有料プランに入っているかどうかは関係ありません。お金を払っているのは「個人で聴く権利」に対してだからです。
Spotifyが許可しているのは「個人利用および非商業利用」だけ。
Apple Music|「個人利用および非商用利用のみ」
Appleメディアサービス利用規約の「利用ルール」にも、同じ趣旨の記載があります。

本サービスとコンテンツの利用は、個人利用および非商用利用のみに限られます
Appleが本サービスまたはコンテンツを提供することで、当該本サービスやコンテンツを商業または宣伝目的で使用する権利がお客様に譲渡されることはありません。
2文目が特に分かりやすくて、「サービスを契約しても商業利用の権利は渡していない」と念を押しています。
Apple Musicは契約しても商用の権利は得られないと明記している。
Amazon Music|「公演」「商業的販売」の権利は付与しない
アマゾンは、お客様に、いかなるコンテンツの同期、公衆送信、公演、宣伝目的での使用、商業的販売、再販売、複製または配信を行う権利、または人工知能技術やサービスにおいてコンテンツを使用する権利も付与しません。
ここには「公演」という言葉が入っています。店内で不特定多数に聴かせる行為はこれに該当します。
他社より踏み込んだ書き方で、店舗利用を想定して除外しているのが分かります。
Amazon Musicについては、Unlimited・Prime・購入した曲まで規約を読み込んでAmazon Musicは店舗BGMに使えるのかの記事にまとめています。

Amazon Musicは購入曲まで含めて、公演の権利を付与していない。
「バレないのでは?」について
正直なところ、個人経営の店で流していて即座に何か起きる、ということは考えにくいと思います。ただ、リスクの種類は2つあります。
- サービス側との契約違反:規約違反はアカウント停止の理由になります。長年使っているアカウントが止まると、プレイリストごと失います
- 著作権法上の演奏権:こちらは別の話で、JASRAC等への手続きが必要なケースがあります(詳しくは前回の記事)

この2つはまったく別のルールなので、「JASRACに払っているから個人向けサブスクを流していい」ということにはなりません。
逆に「サブスクの料金を払っているからJASRACは不要」でもありません。混同されがちなポイントです。
サービスとの契約とJASRACの著作権は別ルール。片方では済まない。
ではどうすればいいのか
選択肢は3つ
①業務用BGMサービスを契約する/②著作権フリー音源を使う/③放送をそのまま流す
1. 業務用BGMサービスを契約する
USENのような有線放送のほか、月額制のアプリ型サービス(モンスター・チャンネルなど)もあり、こうしたサービスは店舗で流すことを前提に権利処理が済んでいます。
曲数が多く、選曲の手間もかからないので、ジャンルを幅広く流したい店には現実的です。
公開料金は税込で、USEN/OTORAKUが月4,488円、モンスター・チャンネル(2年契約)が月2,068円、BGM Pro(2年契約)とSTORE MUSIC.jpが月980円です(※各社の料金は2026年10月9日時点の公開情報)。
3年間の総額まで含めた比較は店舗BGMのコストを見直す|有線・サブスク・買い切り音源を比較したにまとめました。

2. 著作権フリー音源を使う
買い切りやライセンス購入で、店内利用が許諾されている音源を使う方法です。曲数は限られますが、ランニングコストがかかりません。
ライセンス条件は音源ごとに違うので、「商用利用可」だけでなく「店舗でのBGM利用可」かどうかまで確認してください。
3. テレビ・ラジオの放送をそのまま流す
放送は手続き不要
放送をそのまま流す場合は手続きが不要です。ただしCMやニュースがそのまま流れるので、待合室のように不安を抱えた人がいる空間には向かないことがあります。
この観点は待合室BGMの選び方の記事で詳しく書きました。
業務用サービス・著作権フリー音源・放送の3つから選ぶ。
規約だけでなく、Spotify公式サポートも「事業所では流せない」と書いている

ここまでは利用規約の条文を読んできましたが、Spotifyはヘルプページでも同じことを、もっとはっきりした言葉で書いています。
「公共および商業的な場所でSpotifyを使用する」という日本語のサポート記事です。
利用規約に記載されている通り、Spotifyは個人および非営利目的でのみ使用できます。つまり、バー、レストラン、学校、店舗、サロン、ダンススタジオ、ラジオ局などの事業所で、公にSpotifyを放送または再生することはできません。
出典:Spotifyサポート「公共および商業的な場所でSpotifyを使用する」(2026年10月8日閲覧)
業種まで名指しで列挙されています。解釈の余地を残した書き方ではありません。「規約の奥に小さく書いてあるだけ」ではなく、困った人がヘルプを開けば最初に出てくる場所に、これが置かれています。
英語版にはもう1文ある
同じ記事の英語版には「To play in a commercial environment, check out our friends at Soundtrack Your Brand.(商用の環境で流すなら、提携先のSoundtrack Your Brandを見てください)」と続きます。
Spotify自身が、店で流したい人を別のサービスへ案内しているということです。
公式サポートが業種を名指しで「流せない」と書いている。
「Spotify Business」という契約は無い

「個人プランがだめなら、法人プランに入ればいいのでは」と考えるところですが、Spotifyには店舗向けのプランがありません。個人・Duo・ファミリー・学割のどれも、個人利用の範囲です。
代わりに公式が案内しているのが Soundtrack(Soundtrack Your Brand)です。
Soundtrackについて
もとはSpotifyとの合弁で「Spotify for Business」として始まり、その後に分社したサービスで、同社自身も「formerly Spotify for Business」と説明しています。
店舗での再生を前提に権利処理がされているので、こちらは業務で使えます。
ただし海外発のサービスで、料金はドル建て・店舗(ゾーン)単位です。日本で契約する場合の金額と条件は変動するため、検討するときは公式サイトで最新の料金を確認してください。国内の業務用BGMサービスと並べて比べたい場合は、別記事に実際の料金をまとめてあります。
→ 店舗BGMのコストを見直す|有線・サブスク・買い切り音源を比較した
Spotifyに店舗向けの法人プランは無い。公式の案内先は別サービス。
よくある質問
有料プランに入っていれば店で流せますか?
流せません。有料プランの料金は「広告を消して、オフラインでも個人で聴ける権利」に対して払っているもので、お客さんに聞かせる権利は含まれていません。
無料プランでも有料プランでも、規約上の扱いは同じです。
よくある質問のポイント
従業員しかいない事務所やバックヤードならいいですか?
お客さんがいないなら著作権法上の「公衆に聞かせる演奏」に当たらない場合がありますが、それとサービス規約は別の話です。Spotifyが許可しているのは「個人利用および非商業利用」なので、仕事のために職場で流す時点で規約の範囲から外れます。著作権法の面でセーフでも、契約の面ではセーフになりません。
JASRACに使用料を払えば、Spotifyを店で流せますか?
流せるようにはなりません。JASRACへの支払いは著作権の処理で、Spotifyの規約はサービスとの契約です。
別々のルールなので、片方を満たしても、もう片方の代わりにはなりません。
JASRACに払っても、Spotifyが「店で流してよい」と言っていない状態は変わりません。
私物のスマホで、店員が自分用に聴いているだけなら?
イヤホンで本人だけが聴いているなら個人利用です。問題になるのは、店のスピーカーにつないでお客さんに聞かせたときです。
家庭用のスマートスピーカーを店に置くのは?
機器が変わっても、流しているサービスの規約は変わりません。
アレクサやGoogleのスピーカーから鳴らしても、Spotify・Apple Music・Amazon Musicの個人アカウントである限り同じです。
有料プランでも、JASRACに払っても、個人向けサービスは店で使えない。
まとめ:Spotify・Apple Musicは店で流さず、店舗用の音源を使う
この記事のまとめ
- Spotify・Apple Music・Amazon Musicはいずれも個人利用/非商業利用に限定されており、店舗利用は規約違反
- 有料プランでも同じ。料金は「個人で聴く権利」に対して払っている
- サービス規約(契約)とJASRAC(著作権法)は別のルール。どちらか一方を満たしても他方の代わりにはならない
- 店で流すなら、業務用サービス・著作権フリー音源・放送のいずれかを選ぶ
「知らずにやっていた」で止まってしまうと、あとから困るのは店側です。手軽さの誘惑は分かりますが、ここは分けて考えたほうが安全だと思います。

店で流せる音源を、買い切りで用意しています
サブスクの代わりに使える、店舗での利用を前提にした著作権フリーのBGMです。JASRACなどの管理団体には信託していないので、使用料はかかりません。
業種に合わせて3種類あります。
どれも無料の試聴音源を配布しています。実際に店のスピーカーで鳴らして確かめてください。
カフェ・飲食店向けクリニック・薬局の待合室向け美容室・ヘアサロン向け 8業種まとめパック(BOOTH) 8業種まとめ・マルチ店舗版(BOOTH)※ 本記事は2026年9月時点で各社が公開している利用規約を確認して書いています。規約は改定されることがあるため、実際の判断の際はご自身で最新の規約をご確認ください。法的な判断が必要な場合は専門家にご相談ください。

