カフェでSpotifyを流すのは違法?規約違反になる理由と店内BGMの選び方

店舗BGM

店舗BGMの音源を作っていて、飲食店の権利まわりを調べる機会がありました。

「カフェで自分のSpotifyを流していいのか」は、調べてみると答えがはっきりしている話でした。規約の原文と、JASRACの料金表を実際に読んで整理します。

この記事でわかること

  • カフェでSpotifyを流せない規約上の理由
  • 飲食店にJASRACの免除がないこと
  • JASRACに払っても残る「隣接権」の話
  • 手間と費用で選ぶ2つのやり方

カフェ向けの店内BGMを先に見たい方へ

カフェ・ベーカリー向けBGMパックを見る

先に結論

カフェの店内BGM(イメージ)
やり方店内で流せるか費用
Spotify個人プラン規約違反—
店舗向けBGMサービス(USEN・モンスター等)可月額 980〜4,488円(税込)
市販CD・配信音源+JASRAC契約可年6,000円+税(500㎡まで)
著作権フリー音源(買い切り)可購入費のみ

※ 各社の料金は2026年10月9日時点の公開情報。JASRACの使用料は2026年9月時点の公開情報です。

3年間の費用(税込)

USEN / OTORAKU(月4,488円)161,568円
モンスター・チャンネル 2年契約(月2,068円)74,448円
BGM Pro 2年契約/STORE MUSIC.jp(月980円)35,280円
カフェ向け Vol.1+Vol.2 セット(買い切り)8,800円

※各社の料金は2026年10月9日時点の公開情報。最新は各社サイトで確認してください。

個人プランは規約違反。店舗向けサービスか、CD+JASRAC、著作権フリー音源。

Spotifyの個人プランは店内で流せない

音楽アプリに禁止マーク(個人プランは店で使えない)

まず規約を読みます。Spotifyの利用規約には、こう書かれています。

個人利用および非商業利用することができる、限定的、非独占的、取消可能な許可

Spotify 利用規約 第3条「Spotifyサービスへのアクセス」

「非商業利用」と明記されています。カフェの店内で流すのは商業利用にあたるので、個人プランでは範囲外です。

有料プランに加入していても同じです。お金を払っているかどうかではなく、何に使うかで線が引かれています。

これはSpotifyに限った話ではありません。Apple MusicもAmazon Musicも、個人向けプランの規約は同じ構造になっています。

「バレないのでは」という話について

正直に書きます。実際に摘発された事例を、私は見つけられませんでした。

ただ、これは「やっていい」という意味ではありません。

規約違反はアカウント停止の理由になりますし、店舗として権利関係があいまいな状態を続けるのは、経営上の判断としてはおすすめしません。

選択肢はほかにいくつもあります。

Spotifyの規約は「非商業利用」。有料プランでも店では流せない。

飲食店にJASRACの免除はない

年間の使用料(イメージ)

市販のCDや配信で買った音源を自分で流す場合、JASRACへの年間使用料が必要です。金額は店舗面積で決まります。

店舗面積年額使用料(別途消費税)
500㎡まで6,000円
1,000㎡まで10,000円
3,000㎡まで20,000円

出典:JASRAC「各種施設でのBGM」年額使用料表(2026年9月確認)

多くのカフェは500㎡以下なので、年6,000円+税です。月にすると550円程度で、正直それほど高くありません。

カフェは免除の対象外

ここで注意したいのが、飲食店には免除規定がないことです。病院やクリニックなどの医療提供施設はBGMの使用料が免除されますが、カフェはその対象外です。

この線引きは別記事で詳しく調べました。

500㎡までなら年6,000円+税。飲食店に免除はない。

「JASRACに払えば全部OK」ではない

カフェで音楽配信サービスを流す前に注意するイラスト

ここが分かりにくいところです。JASRACへの支払いは作詞・作曲の権利(著作権)に対するものです。

音楽にはもう一つ、レコード会社や実演家の権利(著作隣接権)があります。

JASRACへの支払いが対象にする権利

作詞・作曲(著作権)レコード会社・実演家(隣接権)

市販CDを店内で流す場合、この隣接権の扱いが別途問題になります。

有線放送や店舗向けBGMサービスは、そこまで含めて処理しているので、月額を払えば追加の手続きは要りません。

「CDを買ってJASRACに年6,000円払えば完全に安心」とは言い切れないのが実際のところです。

JASRACへの支払いは著作権の分だけ。隣接権は別に残る。

結局どうするのが楽か

タブレットで店内BGMを選ぶ店主

手間をかけたくないなら店舗向けサービス

USEN・モンスターチャンネル・BGM Proなどの月額サービスは、権利処理を全部まとめて引き受けてくれます。

月額は税込で、BGM Pro(2年契約)・STORE MUSIC.jpの980円から、モンスター・チャンネル(2年契約)の2,068円、USEN/OTORAKUの4,488円まで。

有線放送(イメージ)

考えなくていいのが最大の価値です。

曲数も多く、季節やジャンルの切り替えも用意されています。「いろいろな曲を流したい」店には合っています。

費用を抑えたいなら著作権フリー音源

買い切り音源(イメージ)

著作権管理団体に信託されていない音源であれば、JASRACへの使用料は発生しません。買い切りで購入すれば、2年目以降の費用はゼロです。

ただし、こちらにも向き不向きがあります。

  • 曲数は購入したぶんだけ。季節ごとにガラッと変えたい店には向かない
  • 有名曲は流せない。「お客さんが知っている曲」を期待する店には合わない

「落ち着いた雰囲気を、ずっと同じトーンで流し続けたい」店には向きます。カフェやベーカリーは、この使い方と相性がいい業態です。

カフェ・ベーカリー専用に作った買い切りのBGM音源です

店内の話し声や食器の音に埋もれないよう、曲中の音量差を詰めて作りました。朝・昼・夜で切り替えられる25曲・約78分。

買い切りなので、購入後の月額は発生しません。

無料の試聴音源を配布しています。ランチのピーク時に、店舗のスピーカーで鳴らしてみてください。静かな時間帯だけでは、混雑時に埋もれるかどうかが分かりません。

カフェBGMの詳細を見る

手間を省くなら月額サービス、費用を抑えるなら買い切り音源。

まとめ:カフェでSpotifyは流さず、店に合うやり方を選ぶ

この記事のまとめ

  • Spotifyの個人プランは規約で「非商業利用」に限定されている。店内では流せない
  • 飲食店にJASRACの免除規定はない。500㎡までなら年6,000円+税
  • ただしJASRACへの支払いは著作権の分だけ。隣接権は別の話になる
  • 手間をかけたくないなら店舗向け月額サービス
  • 費用を抑えて同じトーンを流し続けたいなら、著作権フリーの買い切り音源

「違法かどうか」で悩むより、店に合ったやり方を選んでしまうほうが早い話でした。同じことを調べている方の参考になれば。

著作権フリーの音源を選ぶときに確認したい条件は、カフェのBGMを著作権フリーにする条件にまとめました。

※ 本記事は2026年9月時点で、Spotify利用規約およびJASRAC「各種施設でのBGM」の公開情報を確認して書いています。規約・料金は変更されることがあります。実際のご契約前に、各社・JASRACの最新の案内を必ずご確認ください。