足元1踏みで全部変わる|BOSS ES-8のMIDI連携を実機で全解説

機材レビュー

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ペダルをいくつもタップして、アンプのチャンネルも切り替えて…曲中の音色チェンジでアタフタ。あの忙しさ、MIDIでまるごと解決できます。僕のボードは BOSS ES-8 をマスターにして、足元ひと踏みで「ペダルのプリセット・ON/OFF・アンプ切り替え」まで全部いっぺんに変わるようにしてあります。今日はその ES-8 × MIDI 連携を、実機の設定そのままに解説します。

BOSS ES-8を中心にしたエフェクターボード全景
ES-8をマスターにしたエフェクターボード全景。MIDIで空間系やアンプ切替までまとめて制御しています。

MIDIで何ができる?(Before / After)

ざっくり言うと、「1つのパッチを踏むと、複数の機材に“命令”が同時に飛ぶ”のがMIDI連携です。僕のボードだと、たとえばソロ用パッチを踏むだけで——

  • ディレイ(Nemesis)がソロ用プリセットに切り替わる
  • リバーブ(H9 / RV-200)がONになる
  • モジュレーション(Mobius)がOFFになる
  • アンプが歪み側(6505)に切り替わる

…が一瞬で・同時に起きます。手で何個も踏む必要なし。これがMIDIの一番おいしいところ。

覚えるのは3つだけ:PC / CC / MSB・LSB

MIDIって難しそうに見えますが、ボード運用で使うのは実質この3つです。

用語役割使いどころ
PC
プログラムチェンジ
プリセット(メモリ)を呼び出すペダルの音色切替、アンプ切替
CC
コントロールチェンジ
ON/OFFやパラメータを動かすエフェクトのバイパス、ボリューム等
MSB / LSB
バンクセレクト
「棚(バンク)」を選んでからPCを送るプリセットが128個を超える機材(例:QCのセットリスト)

PCは「曲を選ぶ」、CCは「スイッチを押す」くらいの感覚でOK。MSB/LSBは“たくさんプリセットがある機材”用の応用編で、後述します。

このボードのMIDI全体構成

まずは設計図。機材ごとにMIDIチャンネルを分けて、ES-8から狙い撃ちで命令を送ります。僕の割り当てはこれ。

Ch機材主な用途
1Neural DSP Quad Cortexセットリスト/プリセット(MSB/LSB+PC)
2Line 6 HX Effectsプリセット/スナップショット(PC)
3Strymon Mobiusプリセット(PC)+バイパス(CC)
4Eventide H9 MAXプリセット(PC)+バイパス(CC)
6Source Audio Nemesisプリセット(PC)+バイパス(CC)
7BOSS RV-200プリセット(PC)+バイパス(CC)
10Morningstar ML5アンプ切替(PC)

ポイントは 「チャンネルを機材ごとに分ける」こと。同じ命令でも、Ch4に送ればH9だけ、Ch6に送ればNemesisだけが反応します。混線しません。

ES-8側の設定(送る側)

ES-8は各パッチごとに、「どのChに・PCを送るか/CCを送るか/MSB・LSBを送るか」を設定できます。やることは3つ。

  1. 送信チャンネルを決める(上の表どおり機材ごとに)
  2. PCを設定:そのパッチで各ペダルにどのプリセットを呼ばせるか(プログラム番号)
  3. CCを設定:バイパスのON/OFFなど(CC番号+値)

これを8パッチぶん作り込めば、足元の一元管理が完成します。MIDIケーブルは ES-8 の MIDI OUT から各ペダルへ。複数を数珠つなぎ(OUT→IN→THRU→IN…)にしてチャンネルで振り分けるのが基本です。

各ペダルの受信設定(実例)

送る側(ES-8)だけでなく、受ける側のペダルも「自分のチャンネル」「PC/CC受信ON」に設定しておく必要があります。実機の例を挙げます。

Strymon Mobius(Ch3)

プリセットはPCで呼び出し。バイパスは CC#102(値0でバイパス/127でON)。フットスイッチ相当やEXPもCCで操作できます。MIDIクロックを受けるとLFOがテンポ同期するので、ディレイ/モジュは同期させると気持ちいい。

Eventide H9 MAX(Ch4)

プリセットはPC。バイパスは CC#17。H9はCCの自由度が高くて、HotKnob(CC#21)やタップテンポ(CC#14)も飛ばせます。アルゴリズムごとに作り込んだプリセットをPCで呼ぶのが基本運用。

Source Audio Nemesis(Ch6)

ディレイ。プリセットはPC、バイパスは CC#101(値で制御)。僕は「テープ1/4」「テープ付点1/4」「ソロ用デジタル付点1/8」みたいに用途別プリセットを並べて、パッチごとに呼び分けています。

Quad Cortex(Ch1)— ここだけMSB/LSB

QCはプリセットが大量にあるので、「セットリスト(棚)」を MSB/LSB で選んでから PC でプリセット指定します。送信順は必ず MSB → LSB → PC。順番を間違えると棚が変わりません。同じセットリスト内の切替なら PC だけでOK。

⚠️ QCの受信チャンネルは初期の「Omni(全Ch受信)」のままにせず、使うCh(このボードならCh1)に固定しておくこと。Omniのままだと他機材宛ての命令にも反応して誤動作します。

アンプ切り替えは ML5 が担当(Ch10)

アンプ(Marshall SV20H / Peavey 6505)の切替は、MIDIループスイッチャー Morningstar ML5 に任せています。ES-8から Ch10のPC を送るだけ。

PC#呼ばれるループ
1Loop 1Marshall SV20H(クリーン〜クランチ〜OD)
2Loop 2Quad Cortex
3Loop 3Peavey 6505(ディストーション以上)

「1ループだけON・他OFF」の排他で組んでおけば、パッチを踏むたびにアンプが切り替わります。ML5の受信ChはCh10、学習はES-8基準でやると番号ズレが起きません(後述)。

よくあるトラブルと解決

  • PC番号が1つズレる:機材によって「0始まり」と「1始まり」が違う。MC8等で覚えさせるとES-8側で1ズレることがある。→ ES-8基準で覚え直すのが確実。
  • MIDIが効かない:IN/OUTの逆刺し、チャンネル不一致、PC未入力、受信側のMIDI受信OFF が定番。順に確認。
  • 狙ってない機材まで反応する:受信側がOmni受信のまま。→ 各機材を専用Chに固定。
  • QCのセットリストが変わらない:送信順がMSB→LSB→PCになっていない/片方しか入れていない。

必要な機材

このMIDI運用に使っている中心機材はこのあたり。

BOSS ES-8(マスターのループ&MIDIスイッチャー)

このボードの司令塔。8ループ+MIDI送信で、足元を一元管理できます。

Morningstar ML5(アンプ切替用 MIDIループスsイッチャー)

アンプ2台+QCの切替を担当。MIDIのPCで排他切替できるのが強い。

MIDIケーブル

地味だけど本数が要ります。機材によって端子(5ピンDIN/TRSミニ)が違うので、受け側に合わせて用意を。

まとめ

MIDIは「難しそう」で敬遠されがちですが、使うのはPC・CC・MSB/LSBの3つだけ。チャンネルを機材ごとに分けて、ES-8から命令を送る——これだけで足元が劇的にラクになります。曲中の音色チェンジで困っている人は、一度組んでみる価値ありです。

関連:公式エディタが無いRV-200を、ブラウザで自作した話

このボードのRV-200用に、Webで動くMIDIエディタも自作して公開しています。

RV-200 Web エディタを見る →

このネタは動画でも解説予定です。配線や音の変化は映像のほうが伝わると思うので、出来たらまた紹介します。


※ 本記事の設定値・チャンネル割り当ては筆者の環境の一例です。機材のファームウェアや個体・設定により異なる場合があります。各社の製品名・商品名は各権利者の商標です。