Quad CortexをSV20H/6505のレコーディングではIR専用で使う理由

Quad Cortex 実機イメージ 機材レビュー

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Quad Cortex=アンプモデラー、というイメージが強いですが、実は用途によって役割を完全に分けています。ダンブル系のクリーントーンを作るパッチではQCを普通にアンプモデラーとして使う一方、真空管アンプ(SV20H / 6505)の音はそのまま活かして、QCには「IR(キャビシミュ)」だけを任せる。空間系(ディレイ/リバーブ/モジュレーション)はES-8の物理ループのペダルで処理しています——という、ちょっと変わった運用をしています。実機アンプとモデラーの“いいとこ取り”の話です。

Quad Cortex 実機イメージ
歪みは実機、IRだけQCに任せる

なぜこの録音チェーンではアンプとして使わないのか

SV20Hや6505を使うこのレコーディングチェーンに限っては、QCのアンプモデルではなく実機の歪みをそのまま活かしたい。だからこの用途ではアンプの旨味を実機に任せて、QCには得意な部分(IR・MIDI制御)だけ働いてもらっています。空間系はES-8のペダルに任せています。同じQCでも、パッチによってアンプモデラーとして使ったり、今回のようにIR専用ラックとして使ったりと、役割を割り切って使い分けているのがポイントです。

信号の流れ

真空管アンプのスピーカー出力をロードボックスで受けてライン化し、ES-8の空間系ループ(ペダル)を経由したあと、最後にQCへ。QCではIRでキャビの質感を作るだけで、ディレイ/リバーブ/モジュはここでは処理しません。

アンプ(SV20H / 6505)speaker out
 → ロードボックス(Torpedo Captor)でライン化
 → ES-8の空間系ループ(Mobius/Nemesis/H9 MAX/RV-200)
 → ES-8 OUT → HX Effectsのリターン(ステレオ)
 → Quad Cortexのリターンイン(IRのみ)
 → オーディオI/F → DAW
⚠️ スピーカー出力をQCのライン入力へ直挿しは厳禁。必ず対応ロードボックスで受けてから。QC単体はロードボックスにはなりません。

QCに任せる2つの仕事

① IR(キャビネットシミュレーション)

ロードボックス後の“キャビ前の素の音”に、QCでIRを通してマイク録りの質感を作ります。キャビやマイクを差し替えるだけで激変するので、ここはモデラーが本当に便利。

② MIDIで“叩かれる側”になる

QCのプリセット/シーン切替は、ES-8からMIDIで制御。足元はあくまでES-8がマスターで、QCはMIDIで呼ばれる側。これで操作感は今まで通りのまま、QCの強みだけ足せます。

なおディレイ/リバーブ/モジュレーションなどの空間系はQCではなくES-8の物理ループ(Mobius/Nemesis/H9 MAX/RV-200)で処理しています。QCのリターンインに信号が届く時点では、すでに空間系がかかった状態です。

2系統出しでモニターとリアンプを両取り

QCからは2系統取り出しています。キャビ後(IR適用済み)をモニター用キャビ前(ドライ寄り)をリアンプ用に同時録り。後からIRを差し替えたくなっても安心です。

出力中身用途
XLR(post-cabinet)IR後の使える音モニター/本番
TRS(pre-cabinet)ドライ寄りリアンプ用

この運用の良いところ

  • 実機の歪み × モデラーの利便性の両取り
  • IR・空間系は後から差し替え可能=録り音の自由度が高い
  • ES-8マスターのまま=足元の操作は従来通り
  • QCの“モデラー全部入り”を持て余さず、得意分野に集中させられる

使っている機材

Neural DSP Quad Cortex

IR専用ラック+MIDI制御の担当。アンプは実機、仕上げのキャビシミュだけQCに任せる。空間系はペダル側。

ロードボックス(Two Notes Torpedo Captor)

実機アンプとQCをつなぐ要。スピーカー出力をライン化。

関連:この構成でのサイレント録音

ロードボックス+QCで真空管を自宅録りする信号チェーンは、別記事で詳しく解説しています。

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