ギターを始めてから今まで、詰まった場所は大きく4つありました。曲が聴き取れない、リズムが合わない、指が動かない、難しくて続かない。当時はそれぞれ別の問題だと思っていたのですが、後から並べてみると、抜けたときにやっていたことが4つとも同じ形をしていました。
この記事は、その4つの要点と、共通していた考え方をまとめたものです。それぞれの詳しい経緯とやり方は個別の記事に書いてあるので、気になったところから読んでもらえればと思います。
高校に軽音部が無く、レッスンにも通わず独学でやってきた人間の話です。幼少期に少しピアノをやっていたので人より音を追いやすい部分はあるかもしれませんが、絶対音感はなく、音楽理論もきちんと習ったことはありません。素人の見解として読んでください。
壁1:曲が聴き取れない|ベースの単音1つに絞る
耳コピは、コード1つ拾うのにも時間がかかっていました。変わったきっかけは、練習量でも機材でもなく聞く順番です。ギターの和音をいきなり当てにいくのをやめて、先にベースが鳴らしている一番低い音を拾い、それをコードの土台として扱うようにしました。
ベースは基本的に1音ずつしか鳴りません。つまり「和音を1つ」聴き取る作業を「単音を1つ」聴き取る作業に置き換えたことになります。ルートが決まってから、聞き取りやすい高音側→中間の順で埋めていくと迷いが減りました。この癖は、後々曲をまとめて解析してみるような聴き方にもつながっています。
→ 詳しくは「耳コピが早くなった話|「低音から拾う」やり方に変えただけだった」
壁2:リズムが合わない|鳴らす1拍に絞る
リズム感が元々かなり悪く、中でもカッティングが苦手でした。ミュートして刻む動作自体はできても、音を鳴らす場所がズレる。そこでやっていたのが、4拍のうち決めた1拍だけ実際に鳴らし、残りはミュートのまま手を動かし続けるという練習です。
鳴らす瞬間が1箇所に絞られていれば、そこだけに集中すれば済みます。安定したら鳴らす場所を2拍目、3拍目、裏拍とズラしていく。1箇所ずつしか動かさないので感覚が崩れず、範囲だけが広がっていきました。
→ 詳しくは「机の角でピッキングを覚えた話|リズム音痴だった自分のカッティング練習法」
壁3:指が動かない|独立させる指1本に絞る
始めた頃の悩みは「指が疲れる」ではなく「指が思うように動かない」でした。特定の指を動かすと隣の指がつられる。これは体力ではなく指の独立性の問題だったので、疲労対策とは別の練習が要りました。
やっていたのは、手を軽く丸めた形のまま指を一本ずつ動かすことと、メトロノームに合わせた運指をひたすら繰り返すことです。原因を疲労ではなく独立性の側だと捉え直したことで、練習の方向がはっきりしました。
→ 詳しくは「指が思うように動かない問題を、独立練習で見直した話」
壁4:難しくて続かない|最後まで通すという1点に絞る
弾きたかった曲が自分の技術に対して難しすぎて、1週間で心が折れたことがあります。完コピを最初から目指したせいで、曲の全体像を一度も通せないまま終わったのが一番よくない点でした。
次に手を出した曲では、原曲通りに弾くことをやめました。弾けない部分は簡単なコードに置き換えてでも、まず頭から終わりまで通す。全体が通せてから、難しい範囲だけを何日もかけて詰める。この順番にしてから、挫折はしなくなりました。
→ 詳しくは「難しすぎて挫折した話|「簡略化して通して弾く」に切り替えたら続いた」
4つに共通していたのは「対象を1つに絞る」だった
4本を並べて気づいたのは、抜け方がまったく同じ形をしているということです。
- 耳コピ:和音を丸ごと聴き取るのをやめて、ベースの単音1つに絞った
- カッティング:4拍を正確に刻むのをやめて、鳴らす1拍に絞った
- 運指:手全体を動かすのをやめて、独立させる指1本に絞った
- 挫折:曲の完成度を追うのをやめて、最後まで通すという1点に絞った

できないこと全部に同時に取り組むのをやめて、一度に扱う対象を1つまで減らした、というだけの話でした。そして絞った1つが安定したら、場所を少しずつズラして範囲を広げていく。カッティングで鳴らす拍をズラしたのも、耳コピでルート→高音→中間と埋めたのも、簡略化した曲の難所を後から詰めたのも、全部この形をしています。
逆に言うと、詰まっていた時期は毎回一度に複数のことを同時にやろうとしていたのが原因でした。うまくいかない時にまずやるべきなのは、練習量を増やすことではなく、今いくつのことを同時にやろうとしているかを数えることだと思っています。
まとめ
4つとも、特別な機材もレッスンも使っていません。使ったのはメトロノームと、机の角と、バンドスコア1冊くらいです。環境や才能ではなく、対象を1つに絞れているかどうかが、抜けるか詰まるかの分かれ目でした。
もし今どこかで詰まっているなら、自分が同時に何をやろうとしているかを数えてみてください。だいたい2つ以上あるはずで、それを1つに減らすだけで手応えは変わってくると思います。個別の詳しいやり方は、上の各記事に書いてあります。

