真空管アンプを自宅で録る|ロードボックス+Quad CortexのIRでサイレント録音

サイレント録音の信号チェーン図 機材レビュー

※本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。

真空管アンプ、いい音だけど自宅じゃ鳴らせない。——この“爆音問題”、ロードボックスとIRを使えば解決できます。

僕は Marshall SV20H / Peavey 6505 という真空管ヘッドを、歪みは実機そのまま・音量だけ自宅レベルに落として録音しています。

その信号チェーンを公開します。

サイレント録音の信号チェーン図
ギターからES-8、真空管アンプ、ロードボックス、Quad Cortex、MOTU UltraLite mk4、DAWまでのサイレント録音用信号チェーン。

この記事でわかること

  • 真空管アンプを自宅で録るサイレント録音の全体像
  • ロードボックスとQuad CortexのIRの役割
  • モニター用とリアンプ用を同時に録る出力の取り方

サイレント録音の全体像

キモは 「スピーカーを鳴らさずに、アンプの実電力をロードボックスで受け止めて、ライン信号に変換する」こと。

そこにIR(キャビネットシミュレーション)を通せば、マイク録りに近い音がそのまま録れます。僕のチェーンはこう。

SV20Hと6505 実機イメージ
真空管アンプ2台
ギター
 → ES-8 IN → ループ1〜6(コンプ/TS/ブースト/EQ、ループ5でHX Effects前段をモノ挿入)
 → Vol.ループ:SV20H(または6505)input → speaker out → ロードボックス(Two Notes Torpedo Captor 8Ω)でライン化
 → ループ7(Strymon Mobius+Source Audio Nemesis Delay)→ ループ8(Eventide H9 MAX+BOSS RV-200)
 → ES-8 OUT → HX Effectsのリターン(ステレオ、2箇所目の挿入)
 → Quad Cortexのリターンイン(IRのみ)
 → Quad Cortex OUT → オーディオI/F(MOTU UltraLite mk4)→ DAW

アンプの電力をロードボックスで受け、ライン化してIRを通す。

① ロードボックス:爆音を“受け止める”

真空管アンプのスピーカー出力は実際の電力(ワット)。これをスピーカーの代わりにロードボックスが受け止め、安全にライン信号へ変換します。

スピーカーを鳴らさないので、深夜でも“フルアップの歪み”が録れるわけです。

Torpedo Captor 8Ωロードボックス
Torpedo Captor 8Ω
⚠️ 超重要・機材保護:アンプのスピーカー出力を、Quad Cortex等のライン入力に直接挿すのは厳禁(壊れます)。必ず対応インピーダンスのロードボックスでスピーカー出力を受けてから、そのライン出力をQCへ。Quad Cortex単体はリアクティブ・ロードボックスにはなりません。

スピーカー出力をライン入力に直接挿すのは厳禁。必ずロードボックスを通す。

② Quad Cortex:IRの“仕上げ”担当

ロードボックスのライン出力はそのままQCに行くわけではなく、ループ7・8(Strymon Mobius、Source Audio Nemesis Delay、Eventide H9 MAX、BOSS RV-200)で空間系をかけてからES-8の出力に戻ります。

さらにES-8の出力はLine 6 HX Effectsのリターン(ステレオ)を経由し、最後にQCのリターンインへ。

ここでようやくQCでIR(キャビシミュ) を通してマイク録りの質感を作ります。

Quad Cortex 実機イメージ
Quad Cortex

QCはあくまでIRの仕上げ役。空間系はループ7・8のペダルとHX Effectsのリターン側で完結させ、ES-8の8パッチ管理に統合しています。

IRをチェーンの一番最後に置いているのには理由があります。ライブで実際にアンプを鳴らすときは、このチェーンの最終出力は「スピーカーから空気中に出る音」です。

サイレント録音ではスピーカーを鳴らさない代わりに、ちょうどスピーカーが鳴る位置(チェーンの最終段)でIRに置き換えることで、ライブと同じ信号経路をそのまま録音用に転用しています。

だからQCのIRは前段ではなく、必ず一番最後に来るのが正解です。

QCのIRはチェーンの最終段、スピーカーが鳴る位置に置く。

③ デュアル出力でモニターとリアンプを両取り

QCからは2系統を取り出して、オーディオI/F(MOTU UltraLite mk4)へ送っています。

2系統出し(イメージ)
2系統出し(※イメージ)
出力中身用途
XLR(キャビ後 / post-cabinet)IR適用後の“使える音”モニター・本番テイク
TRS(キャビ前 / pre-cabinet)ドライ寄りの素の音後でリアンプ(録り直し)用

「モニターはIR後・リアンプ用はIR前」を同時に録っておくと、後からキャビやIRを差し替えたくなっても安心。

pre-cabinetのドライをリアルタイムのモニター基準にするのは無理があるので、2系統を同時に録るのが正解です。

IR後をモニター用、IR前をリアンプ用として同時に録っておく。

この組み方の良いところ

夜でも録れる(イメージ)
夜でも録れる(※イメージ)
  • 実機の歪みのまま、音量だけ自宅レベル。深夜でもフルアップの音が録れる
  • 空間系はペダルでかけ録りなので、足元の操作感そのままに録れる
  • ES-8マスターのまま=足元の操作感は今までと同じ(MIDIでQCを叩くだけ)
  • リアンプ用のドライも同時確保=録り直しの保険になる

実機の歪みのまま、深夜でも自宅の音量で録れる。

使っている機材

ロードボックス(Two Notes Torpedo Captor)

サイレント化の心臓部。スピーカー出力を受けてライン化。

インピーダンス(8Ω等)はアンプに合わせて。

Neural DSP Quad Cortex

IRの仕上げ担当(クリーンアンプ用途)。空間系はペダルボード側で完結。

オーディオインターフェース(MOTU UltraLite mk4)

QCの2系統を受けてDAWへ。入力数に余裕があるので post/pre 同時録りがやりやすい。

僕が実際に使用しているのはUltraLite mk4です。現在の販売モデルは後継のUltraLite mk5なので、下の商品リンクはmk5を掲載しています。

入出力仕様などは購入前に確認してください。

関連:アンプ2台の使い分けとMIDI切替

SV20Hと6505の役割分担や、MIDIでのアンプ切替は別記事で解説しています。

SV20H vs 6505 の記事へ →

※ 配線・機材は筆者環境の一例です。スピーカー出力の取り扱いは必ず各機材のマニュアルに従ってください。各社の製品名は各権利者の商標です。

関連記事

使っているロードボックスはTorpedo Captor 8Ω、IRを鳴らしているのはQuad CortexをIR専用で使う話、アンプ本体はMarshall SV20Hに書いています。

録り環境のノイズ対策はUSBハブを見直した話、録ったあとのテイクの扱いはテイクの残し方です。

使っている機材の全体は使用機材まとめに信号の流れ順で一覧にしています。

まとめ:真空管アンプはロードボックス+IRで自宅でも録れる

この記事のまとめ

  • スピーカーの代わりにロードボックスで電力を受け、ライン化する
  • IRはチェーンの最終段に置き、マイク録りの質感を作る
  • モニター用(IR後)とリアンプ用(IR前)を同時に録っておく