耳コピ、昔はコード1つ拾うのにも時間がかかっていました。それが早くなったきっかけは、機材でも練習量でもなく、単純に「聞く順番」を変えただけでした。大学時代にオーバースペックなくらい大量のコピーバンドを掛け持ちしていて、必要に駆られて自然とそうなっていった、というのが実際のところです。
※幼少期に少しピアノをやっていた経験があるので、人より音を追いやすい部分はあるかもしれませんが、絶対音感があるわけではありません。あくまで独学でやってきた素人の見解として読んでもらえればと思います。
量に追われて、遠回りをやめざるを得なかった
当時はとにかく本数が多くて、1曲ずつ丁寧にメロディから追いかけている時間がありませんでした。メロディを耳で追ってからコードを当てはめる、というやり方だと、どうしても曲によって当たり外れが出るし、時間もかかる。曲数をこなす必要に迫られて、もっと機械的に、迷わず拾える方法に自然と切り替わっていきました。
コードではなく、まずベースの音を拾う
やり方を変えた一番のポイントはここです。ギターのコードをいきなり当てにいくのではなく、先にベースが鳴らしている一番低い音を聞いて、それをコードの土台として扱います。E、F、Gといった単音がベースラインとして動いているので、そこさえ拾えれば、そのタイミングのコードが何系かはほぼ確定します。ベースは基本的に1音ずつしか鳴らないので、ギターの和音を直接聞き分けるよりも圧倒的に耳で追いやすいというのが理由です。
拾えた音は、その場でメモか記録に残す
聞き取れたルート音は、頭の中だけで覚えておかずに、その都度メモか録音で残すようにしています。曲が進むにつれて前に拾った部分を忘れてしまうと、結局最初から聞き直す羽目になるので、ここを飛ばさないのが地味に大事です。E→A→F#m→Dのように、ルート音の並びだけでも先に書き出しておくと、あとの作業が一気に楽になります。
ルート音が決まったら、高い音から順に当てていく
ベースのルート音が拾えたら、次はそのコードに付帯する音を足していきます。ここでのコツは、低い音からではなく、聞き取りやすい高音側から順番に当てていくことです。高い音のほうが耳に残りやすく、メロディやトップノートとして意識しやすいので、先にそこを確定させてから、間を埋めるように下の音を当てはめていくと迷いが減ります。ルート(ベース)→高音→中間、という順番で埋めていくイメージです。
この順番でやるようになって変わったこと
- コードを丸ごと当てにいかなくなったので、迷う時間が減った
- ベースが動くタイミング=コードが変わるタイミングだと分かるので、曲の構造自体が見えやすくなった
- メモを残す習慣がついたことで、長い曲でも前半の聞き取りに引っ張られなくなった
特別なトレーニングをしたわけではなく、単純に「どこから聞くか」の順番を変えただけです。大量にこなさないといけない状況に追い込まれたおかげで、結果的に一番効率のいいルートに行き着いた、という感じでした。
結局のところ、全部「よく音を聞く」に尽きるとは思っています。ルートを拾うのも、高音から当てていくのも、特別な才能というより、意識をどこに向けて聞くか、というだけの話です。センスや才能の話にされがちですが、自分の場合はそうではなく、聞く場所を絞って、そこだけに集中して聞く回数を増やしていっただけでした。
この記事は、独学でぶつかった4つの壁のうち耳コピの話です。残りのカッティング・運指・挫折と、4つに共通していた考え方は「独学ギターでぶつかった4つの壁と、抜けた練習法」にまとめています。

