高校時代、自分の学校には軽音部がありませんでした。授業の合間や暇な時間にギターを弾ける環境が無かったので、教室で机の角を弦に見立てて、ピックだけでオルタネイトピッキングの練習をしていました。今思うとかなり地味な練習ですが、あの時間があったおかげで、フォーム自体は早めに固まった気がしています。
弦がなくても、ピッキングの練習はできる
机の角にピックを当てて、上下運動だけをひたすら繰り返す。音が鳴るわけでもないし傍から見ればただの貧乏ゆすりみたいなものですが、手首の動かし方や、ピックが弦(机の角)に当たる角度を体に覚えさせるという意味では十分練習になっていました。楽器が無い時間でもフォームは作れる、というのはこの頃の経験で実感したことです。
リズム感が絶望的で、特にカッティングが苦手だった
ただ、フォームができても別の壁がありました。自分は元々リズム感がかなり悪く、その中でも特にカッティングが苦手でした。ミュートしながら刻む動作自体はできても、どこで音を鳴らすべきかがズレる。単純な上下運動と違って、カッティングは「鳴らす場所」を正確にコントロールする必要があるので、感覚だけで乗り切れずにいました。
4拍のうち1拍だけ音を鳴らす練習
そこでやっていたのが、メトロノームを鳴らしながら、4拍のうち決めた1拍だけ実際に音を鳴らして、残りの3拍はミュートしたままカッティングする、という練習です。たとえば1拍目だけ音を出す、と決めたら、2〜4拍目は完全にミュートのまま手だけ動かし続けます。鳴らす瞬間が1箇所に絞られているので、そこだけに集中すればよく、闇雲に4拍全部を正確に刻もうとするより、格段にやりやすくなりました。
鳴らす場所を少しずつズラしていく
1拍目だけで安定してきたら、次は鳴らす場所を2拍目、3拍目、裏拍、というふうに少しずつズラしていきました。1箇所ずつしか動かさないので、感覚が急に狂うことはなく、着実に「狙った場所で正確に音を出す」感覚を広げていけたのがよかった点です。裏拍で鳴らす練習まで来ると、普通に刻んでいるだけでは気づけなかった、自分のリズムのクセ(走りやすい・もたりやすいタイミング)も見えてきました。
この練習でよかったこと
- 「4拍全部を正確に」ではなく「1拍だけ」に絞ったことで、練習のハードルがぐっと下がった
- 鳴らす場所を1箇所ずつしかズラさないので、感覚を崩さずに範囲を広げられた
- 結果的に、リズム感の悪さそのものをカバーする練習法になった
軽音部が無かったのは当時は不便でしかなかったですが、机の角で1人黙々とやっていた時間や、メトロノーム相手に1拍だけ鳴らす地味な練習が、結果的に自分に合ったやり方を見つける時間になっていました。環境が無いなら無いなりに、できることを絞ってやる、というのは今でも変わらないやり方かもしれません。
この記事は、独学でぶつかった4つの壁のうちカッティングの話です。残りの耳コピ・運指・挫折と、4つに共通していた考え方は「独学ギターでぶつかった4つの壁と、抜けた練習法」にまとめています。

